オオクワガタ

otakaramono2009-08-18

オオクワガタ

オオクワガタ(大鍬形、学名:Dorcus hopei binodulosus)は、コウチュウ目・クワガタムシ科・オオクワガタ属・オオクワガタ亜属に属するホペイオオクワガタの亜種であり、日本では最大級のクワガタムシである。 飼育下では最大の個体が生まれているが、野生下で見つかった個体ではツシマヒラタクワガタが最大である。 また、野生下では生息が危ぶまれていて、2007年には絶滅危惧II類に引き上げられた。

体長: オス 21−76.5mm. メス 22−48mm (飼育下の最大♂84.7mm)

オスは大きな内歯(内側のトゲ)1対と、先端部分に小歯を1対を備えた、太く内側に湾入した大アゴを持つ。 体色は全身黒褐色〜黒色の個体が多い。 学名のbinodulosus(ビノデュロサス)とは「2つの瘤の」という意味で、大アゴのつけ根の近くにある突起(眼上突起)のことであり、本亜種では特に明確である。 オスの小型個体やメスの鞘翅上面には明瞭な点刻列がある。

オスの小型個体では大アゴ先端の小歯は消失するが、中央の内歯は かなり小型の個体でも見られ、この種群の特徴となっている。内歯の位置は体長によって変化し、大型個体から順に、第1内歯が大アゴの中央部分から前方に向かって生える「大歯型」。第1内歯が大アゴの中央部分から ほぼ直角に内側に向いて生える「中歯型」。 第1内歯が大アゴの基部に生える「小歯型」という個体変異があるが、他のクワガタムシと比べ変異は連続的であるため、それほど違いは目立たない。

日本産オオクワガタの成虫は、ゴールデンウイークから梅雨明け頃に活動を始め、ほとんど夜行性で、昼間はクヌギ・アベマキ・ナラ類・カシ類・ニレ類・ヤナギ類などの樹液が出る大木の樹洞などに隠れている。 こうした樹洞を縄張りとしたオスの元に、メスが次々と訪れる生活を夏の間送り、メスは大木の立ち枯れなどに飛来し、産座を築いたり、トンネルを掘って、その内壁に産卵する。

9月末から10月くらいになると、成虫は早々と越冬態勢に入り、越冬成虫は翌年の5月頃まで活動を休止する。 このことからオオクワガタは温帯での生活に適応したクワガタムシであることが示唆される。

性質は臆病で、危険を感じると、すぐに洞(うろ)に隠れる。飛ぶことも滅多になく、何らかの理由で住処(すみか)を変えざるを得なくなった場合に限る。 野生個体の生活環は生息域により異なるが、甲信越や関東では、2年1化1越年(幼虫で2年過ごし夏に羽化後翌年まで静止する)で、孵化から3年目の初夏に活動を開始し、成虫は繁殖活動後も越冬を繰り返し、飼育下では5〜6年生きる個体もいる。

幼虫は堅めの白色腐朽材に見られ、ニクウスバタケ・カワラタケがついたクヌギ・エノキ・カシ類の硬い大木や朽ち木の地上部に多い。

また、コクワガタとの間に雑種(オオコクワガタと呼ばれる)ができることが知られており、ごく稀に採集される。人工飼育で作出することもできるが、幼虫での死亡率が非常に高く、また性別が極端にオスに偏る。 オオコクワガタは、主にオオクワガタ♀と、コクワガタ♂が交配して生まれるが、逆の場合もある。オオコクワガタは、大きさと形はオオクワガタに近い。しかし、脚部等がコクワガタに似るという特徴がある。身体は全体的にコクワガタのように細め。採集されるオオコクワガタは、実はその殆どが、大きいコクワガタであるという。「種」が近いため、非常に間違えやすい。

北海道産オオクワガタの生態動画