四大珍獣ジャイアントパンダ


ジャイアントパンダ Ailuropoda melanoleuca (英:Giant Panda)は、中国四川省陝西省などに生息する、ネコ目(食肉目)クマ科に属する動物。

白と黒にはっきりと分かれた体毛が特徴である。コビトカバオカピとともに世界三大珍獣に数えられる。

1869年3月11日、博物学に長けたフランス人宣教師のアルマン・ダヴィドが(現在の)四川省西部宝興県にて地元の猟師が持っていた白黒模様のパンダの毛皮を欧米人として初めて発見した。後日、パリの国立自然史博物館に毛皮と骨などを送った[1][2][3][4][5]。これがきっかけとなり、ジャイアントパンダの存在が広く知られるようになり毛皮目当てに狩猟ブームになった。

20世紀になると絶滅の危機を迎えていた。探検家のウィリアム・ハークネスが生きたままアメリカに連れて帰ろうとしたが病で死んだ。その後、妻のルース・ハークネスが夫の思いを実らせるため、単身中国に渡り、1936年11月に子供のパンダを見つけてアメリカに連れ帰った。そのパンダのおかげで、人々の狩猟の熱が冷め動物愛護の精神を芽生えさせた。そのパンダは、スーリンと名づけられ剥製がアメリカ自然史博物館に保管されている。

生態
現在は竹林に住まい、竹を主食にしているが、極稀に小型哺乳類・魚・昆虫等の小動物やそれらの死骸、果物を食べることもあり。

他のクマ類と同様に肉食を含む雑食性の特徴も微少であるが残っている。昔は動物園でも肉を与えていたケースもある。

氷河期による気候の変動による食糧不足から偏食を余儀なくされ、常に入手しやすい竹ばかり食べるようになったと考えられている。

群れや家族を形成せず、基本的に単独で行動している。他のクマ科の動物と異なり、冬眠はしない。繁殖期は年に一度、3月から5月の間であり、マーキングが行われることもある

メスの受胎が可能な期間は数日ほど。妊娠期間は3か月から6か月で、通常1頭または2頭の子どもを出産する。繁殖力は低い部類に入り、乱獲と並んでパンダの絶滅危機の原因でもある[14]。近年の研究によって、発情期以外でも声と匂い付けによって他のパンダと頻繁にコミュニケーションをとり、しばしば交流することが判明している。

愛らしい外見に似合わず、気性の荒い一面も持ち、動物園の飼育員や見学客などが襲われる事件が過去には何件か発生している。